4月13日「水産デー」について詳しく解説していきます。
4月13日「水産デー」の概要
4月13日「水産デー」は、1933年(昭和8年)5月に、「一般社団法人・大日本水産会」により制定されました。
水産業に対して興味を持ち、認識を新たにしてもらいたいという狙いがあります。
「水産デー」の由来は、1901年(明治34年)4月13日に、「旧漁業法」が制定されたことにあります。
「漁業法」とは「漁業の基本的な決まりを表したもの」です。
第1章から第10章まで、全146条から成る厳格な法律で、非常に細かく分かれているのです。
海は広くて誰でも自由に行き来できるというイメージがありますが、実は「漁業」については漁場がきまっているところもあるのです。
一定の漁場では、その海域に権利のある人や組織しか漁をしてはいけないという権利があり、これを「漁業権」と言います。
つまり、そこに魚貝類があるからと勝手に漁をしてはいけないのです。
海辺に行くと「密漁禁止」という看板が掲げられていて、この様な場所でウニやカニなどを勝手にとると、たとえ遊びであっても捕まることもあるのです。
その他にも「入漁権」などの決まりがあり、これらを総称して「漁業法」と言います。
「旧漁業法」はその後、1949年(昭和24年)3月13日に改正され、現在の「漁業法」が制定されました。
現在の「漁業法」が制定された3月13日は別に「漁業法記念日」と制定されていますが、その大元となる「旧漁業法」が制定されたことを重視して、4月13日を「水産デー」としたのです。
「漁業」に「デー(day)」という英語を組み合わせると日本人としては違和感を覚えることもあり、昭和初期にはあまり浸透しなかったのですが、最近ではイベントが行われることもあり、一般にも知られる様になってきているのです。
4月13日「水産デー」のイベント
4月13日「水産デー」は、毎年制定されている記念日で、過去には様々なイベントが行われていました。
しかし現在では特に大きなイベントは行われていません。
唯一、青森県立八戸水産高等学校で毎年10月に文化祭として「水産デー」が開催されています。
こちらは一般公開され、学校製品として「さんま味付缶詰」「むしうに缶詰」「いか味付缶詰」「さば糠炊缶詰」「さば水煮缶詰」が人気です。
ただし、2020年以降コロナウィルス感染症により、規模が縮小されたり、一般公開を中止することもありますので、情報を確認しましょう。
4月13日「水産デー」の豆知識
4月13日「水産デー」に因んで、豆知識を幾つか紹介します。
魚介類と魚貝類の違い
「魚貝類」と「魚介類」はどちらも「ぎょかいるい」と読み、パソコンでも2種類に変換できます。
文章を作成していて、どちらの漢字を使用したら良いのか迷う人も多いでしょう。
基本的に、水産物全般を総称する場合には「魚介類」と表記するのが正しいとされています。
「介」は「人が鎧(よろい)を身に付けた姿を現す象形文字」であり、エビやカニなどの甲殻類を表しているのです。
「魚介類」は文字通り「魚類」と「貝類」のことで、甲殻類は含まれません。
甲殻類か貝類かという問題で、どちらも海産物には変わらないのです。
水産業とは
水産業とは、一般的に水産物を取り扱う業種全てに対して使われます。
「水産業」イコール「漁業」と思われがちですが、水産物に関わる産業は全て「水産業」と呼ばれるのです。
例えば、「水産加工業」「養殖業」「栽培漁業」「製塩業」、そしてそれらの水産物を保管したり輸送する「倉庫業」や「運輸業」も「水産業」に含まれるのです。
因みに「魚屋」は「小売り業」に含まれますが、中には「水産業」に含まれるという人もいます。
4月13日「水産デー」に考えたいこと
4月13日「水産デー」に考えたいことは以下の通りです。
1つ目は、日本がいかに水産物に恵まれた国であるかという点です。
四方を海に囲まれ、北から南まで、美味しい魚介類が食べられるのは日本の大きな特徴です。
特に鮮魚は保存方法が最も重要ですので、日本では保存技術や加工法、そして輸送法なども発達しているのです。
水産業が発達したからこそ美味しいお寿司が食べられると言って良いでしょう。
2つ目は、海には「漁業権」があり、勝手に魚や貝などをとってはいけないことになっている、という点です。
釣りが趣味の人も、地方自治体から許可された場所でないと魚を釣ってはいけないことになっています。
よく釣れる場所だからと勝手に海岸に行き釣りをしたり、ウニをとったり、釣り船を出したりすると法律違反になることを今一度意識してみましょう。
まとめ
4月13日「水産デー」は、1901年に「旧漁業法」が制定されたことに因んで制定された記念日です。
日本人として、水産物とのかかわりを考えてみる日にすると良いでしょう」